「メタルギアソリッド3」に登場する、秘密設計局OKB-754(通称ソコロフ設計局)にてニコライ・ステファノヴィッチ・ソコロフが設計開発を行った核搭載型戦車。最終調整はグロズニィグラードにて行われた。「シャゴホッド」とはロシア語で「一歩一歩踏みしめるもの」の意(直訳すれば「歩行機械」という感じの意味である。ソコロフの命名は意訳が多分に含まれている様である。またシャゴホッド、とは英語風の発音であるのでロシア語で厳密に発音すると「シャガホートゥ」となる)。
フォルムが一体化しているメタルギアと違い、機体構成が大きく2つに分けられており移動手段として用いる前部ユニット及びミサイル装填用ユニットを積載した後部ユニットを連結して機動している。形だけを見れば、不整地踏破能力の限界を超える機能として、二足歩行機構を付加された戦車であるメタルギアに対して、戦車のフォルムを維持しつつ既存の型に嵌らない形の陸上兵器を目指した様でもある。
その運用思想には後に登場する「メタルギア」に繋がるものが多いが、二足歩行戦車ではなく、機体下部にある2本のドリルを回転させることで移動するため、実質的にはメタルギアではない。しかしシャゴホッドの開発成功と運用失敗が、後のメタルギアの開発・運用に大きく影響を与えていると思われるのでここに記載する。
グラーニンの企画設計した核搭載型二足歩行戦車「メタルギア」に競合し、結果としてシャゴホッドが採用された。これを不服としたグラーニンは、企画設計書を「アメリカの友人」であるエメリッヒ(オタコンの祖父)に送り、自分のメタルギア計画の有用性を認めなかった軍部中枢へのささやかな抵抗をした(MGS2でのタンカー事件において、セルゲイ・ゴルルコビッチがメタルギアを指し「ロシアの生み出した技術の流用」と言っているのは、これを指していると思われる)。またその設計書は、漏洩とほぼ同時期に、当時三重スパイをしていたオセロットによって盗み出され、賢者達の手に渡っている。
乗員2名。全高8.2m、全幅6.4m、全長22.8m。平均時速80km、最大航続距離650km。主武装としてDShK38-12.7mm重機関銃が2門、同対空機関銃を1門、9M112コブラ対戦車誘導ミサイルを発射する9K112ランチャーを6門、そして大型の100銃身機関銃を1門装備している。しかしこの機体を「シャゴホッド」たらしめているのは、後部ユニットに搭載しているロケットエンジンで時速300マイル(500km)まで加速し、その状態からIRBM(中距離弾道ミサイル)を直接発射する事でミサイルにステージ1の加速を追加してソ連からアメリカ本土へIRBM(SS-20 Ssber)を到達させることが出来る、
「射程合成延伸システム」と呼ばれる機能にある。大陸をまたぐほどの射程を持つミサイルの飛行には通常、巨大なブースターが必要であり、そのためICBM(大陸間弾道ミサイル)は固定式の巨大な発射設備(サイロ)を必要とし、発射状態を保ったままの移動は不可能である。一方、シャゴホッドは前述の加速機能により小型でICBMに比べ移動が簡便な、しかしそれゆえ射程の短いIRBMを、いわば単独で「ICBM化する」ことができ、凍結した湖面、空港、高速道路など、加速に十分な平滑な平面さえあれば、アメリカ本土に核を打ち込む事が出来る。
ミサイルの発射位置を通常のミサイル発射施設や条件に固定されないこの兵器は、既存のミサイル防衛システムにとって大きな脅威となる。
基本的な移動手段は、前部ユニットの両側面部にある一対の油圧式シリンダー型脚部に取り付けられている、細長いドリルを回転させて推進力を発生、後部ユニットを牽引する形で移動するという珍しいスタイルである。また後部ユニットはキャタピラでは無くホバークラフトの様な形になっており、ロケットエンジンはミサイル発射時・緊急時以外には使用しない。いわばトレーラーの様な移動手段である。
長期移動の場合は、軍用ヘリ4〜5機に、ワイヤーで吊られて輸送される。他の作品のメタルギアに比べれば、発射地点に上記いくつかの条件が生じる為、汎用性は低い様にも見えるが、ソ連の道路移動式ミサイル発射台がアメリカにとって脅威であった1960年代にこれが造られた事を考えると、その存在は核バランスを容易に崩壊させうる脅威の兵器だったと言う事ができる。
まだ試作機の段階であったらしく、機体には共産党指導の象徴である赤い星と共に「Прототип」(プラタティープ=試作機。英語のPrototypeに相当)と記載されている。
ロケットエンジンに液体燃料を使用しているため、ロケットに攻撃をすれば破壊できそうだが、ドックでの液体燃料タンクの爆発に耐えた(旧ソ連は実際に西側の風船型燃料タンクよりも剛性のあるロケットで成功している)。